愛でした

よろこびもいたみも

今を積み重ね未来はつくられる

 

のべつまくなし東京公演。

いくつかにわけてはなしをしたい。

 

 

まず、のべつまくなしを観るうえでいちばん重要なこと、で、なによりもおさえておくべきこと、が、宇宙Sixに与えられた役柄がすべて、あてがきである、ということ。

あてがきで、作中で相棒にされる江田剛山本亮太なんですよ。非力で弱くて、自分はなにも出来ないって嘆くモン太(江田)と、暗い過去背負って、それでもどうにかならぁ!って笑うブン太(山本)と、そんなふたりが出会って、夫婦の契り交わして仲間になって、まわりのひとたち巻き込みながら、支えて、支えられて、人生の幕は自分で下ろしちゃいけねえ!っていって生きていく話なんですよ。

 

ブン太が死にそうになったとき、モン太は、諦めるな!って、まだ幕は下りない!って、泣きながら叫ぶ。息絶えそうなブン太の肩に顔埋めながら本気で泣きながら本気で叫ぶ。

つよい正義感で最後はヒーローになっちゃう越前(松本)も、先輩の目さますために戦うし、簡単に死罪にはしないっていう。絆のつよい赤穂藩のなかで道標みたいな安兵衛(原)も、ひとりで仇討ちに行こうとするし、仲間を死なせないために47人分の心中考えてくれっていう。

 

あてがきで、この役をもらった。なかの人たち、を応援しているこちら側にしてみれば、こんなしんどいだけの舞台、っておもう。

こんなにいろんな部分を当人たちと重ねてしまう、こんなに勝手に深読みをしてしまう、苦しいと、嬉しいと、がんばれ、みたいな感情がどんどん溢れていくような、そんなストーリー。

それでも最後にはみんなが笑う。死んだことにしようっていうブン太と、相棒だからお供するっていうモン太、手を貸すっていってくれる安兵衛と、メンバー足りないだろっていう越前。

みんなでやっていこうって、みんなで先に向かう。あてがきってすごい。こういうことが出来てしまう。まだまだ幕は下りないし、旅は続いていく。すごい。このタイミングに、この役柄で、この作品が宇宙Sixによって演じられているということがすごく大事なことだった気がする。

 

 

 

そして、のべつまくなしが、「ACTION PLAY MUSICAL」と銘打たれていたこと。包み隠さず言ってしまえば、歌が得意なメンバーだけで構成されているわけではない宇宙Sixに、それぞれソロ曲が与えられた。初日を終えた時点での感想は、ミュージカルこえぇ、だった。本人にとって歌いやすい曲かどうか、みたいなところはもちろん考慮すべきなんだけど、それでもこれで評価されてしまうものがあるんだとしたらそれは少しこわいなとおもった。

でも歌は日に日に、ほんとに目にみえるような速度でどんどんよくなっていった。稽古がどうだったか、は知らないけど、本番の力ってすごいな、なんてことを思うほど。こういう、経験をさせてもらえることって、すごいことなんだなと思って。経験させてもらえてなかっただけなんだな、とか思ったりして。

 

よくなっていっていた、からこそ、実力関係ない部分で悔しいって思ってしまう出来事があったのはすごく残念だった。そして、悔しいねって、こんな短いスパンで2度もいうことになるとはおもわなかった。

責任、は感じなければいけないんだとおもっている。どんな事情にせよ、主演として立つ舞台でこういうことになって、気にしなくていい、というのはあまりにも無責任すぎるとおもうから。

だけど、残念なことばっかりじゃなかった。演出変えてもらって、ソロの部分、みんなに一緒に歌ってもらって、メンバーにも、共演者さんにも、スタッフさんたちにも、たくさん支えてもらった。そうしてもらえたのは江田くんだったからだなって思えた。支えたいって、舞台に立たせたいってそう強く思ってもらえてることを改めて知れた。

みんなの歌声に支えられながら真ん中に立つモン太は、すごくきれいで、そしてすごくいい顔をしていて、ああ、こんな顔でステージに立てるんだって思って、はじめてみる江田くんの表情、だったなあ。

東京公演千秋楽で、歌うみんなを見渡しながら曲中に感極まってしまったモン太、というか江田くんが、今回もらったたくさんの愛を糧にしてこれから歩いていければいいなと思ったり、しました。

 

 

 

そして5/6、東京公演千秋楽、レビューショー。

目黒くん、来てるんだろうな、とはおもっていた。客席にいないことは確認していたので、もしかして最後の挨拶とか出してもらえるのかな、ともおもっていた。

そう思っていたのに、Shineで幸大くんに連れられて出てきた目黒くん見てぶわぁってなってしまって、当たり前のようにセンターに入って当たり前のように歌って踊っている目黒くんがいる宇宙Six、をずっと見たかったんだなって気付いた。

素知らぬ顔でなんで泣いてるひといんの?とかわかってて言っちゃう目黒くんのこと、わたしはやっぱり好きだし、目黒くんがいる掛け合い、に安心するようになっていたんだな、とおもった。

地方公演もあるんでね、っていうときに、名古屋、大阪、東京…って、江田くんが東京に戻ってきてしまって、りょちゃんがフォローするんだけど名古屋、北九州、大阪…って順番間違えたらすぐ目黒くんがしっかりしろよお前らぁ!って入ってきてくれて、それに対してりょちゃんは、おめぇがいねぇとしっかりしねぇんだようちはよっ!!って、返す。またそれでぶわぁってなって。(笑)そんなやり取りを、わたしはすごく好きになっていたなあとおもいました。

 

正直に言うと、こんなどっちつかずの状態なら、もう諦めてしまったほうが楽なんじゃないかとおもっていた。ほとんど無視されているような状況で、どっちつかず、とすら言えなかった。どうすることもできないなら、どうにかしようとなんてするだけ無駄なんじゃないかって。でも、無駄なんかじゃないのかもしれない。

5人だってことを強調するような言葉が、1/17以降本当に多くなって、そういう言葉を聞くたびに、こっちばっかり必死になってるような気がして苦しかった。むこうはもう、そんなつもりないんじゃないかとか、不安におもうことの方が圧倒的に多かった。もうわかったからって、もう大丈夫だからって、何度も何度もおもった。でも、そういう、諦めが悪い、みたいなところが、そういえばわたしは好きなんだったな。みたいな。

 

だからもう、もういいよなんてことは思わない。5人でいられる未来を、わたしも諦めたくない。ちゃんとひとつずつ、一緒に声をあげていきたい。わたしがそうしたいって、そんなことを思ったのべつまくなし東京千秋楽で、そういえば武藤さんが、宇宙はみんなのために、みんなは宇宙のために、そんな舞台だ、って、言っていたな。

 

 

 

 

そして、東京公演最後の日、林くんが観にきてくれた。

わたしは林くんが、スクアッドを観に会場にきてくれなかったことも、いなくなるにしても、3/31に5人で頭を下げるしかなかったことも、ずっと根に持っていて。あの日にみた2人の顔、わたしはずっと忘れることはなくて、江田くんとりょうちゃんにあんな顔させる林くんに、何度ばーかばーかって言ったかわからない。

 

だけど、俺がいいっていってんだからいんだよ!って言ってステージにあげて、あんなに嬉しそうにしょうちゃん、しょうちゃんって話しかけて、この6人がいなかったらこのグループはできてなかったんでって言っちゃう。言えちゃう。そう言わせられるのも、あんな嬉しそうな顔させられるのも、林くんだからだった。

 

もう、みれないとおもっていた6人の宇宙Sixだったし、わかりたくもなかったそれぞれの道、という場所で頑張ってきた結果、があの時間なんだったとしたら、それはなんかもう、もちろんぜんぶを許せるわけではないけど、もうさ、林くんも幸せになってね…みたいな気持ちになるね。

理解なんてできなかったし、したくもなかったし、さよならもありがとうも言わせてもらえなかった終わりだったから、心から応援、なんてできていなかったんだろうなとおもう。1年経ってやっと、お互い幸せになろうって、心からおもえる気がした。

 

退団(退団)しても、兼任になっても、6人だったから宇宙Sixができた事実はきえてなくなったりしないし、5人と1人で歩いている道も、6人で歩いていた道の先にある道であることは変わらない。過去に縋るつもりはないけれど、過去に支えられていくのは悪いことじゃないのかもしれない。なんてことを、おもったり、しました。

 

 

林くんがかいてくれていた清水さんのはなしとか、目黒くんがかいてくれていたマネージャーさんのはなしとか、宇宙Sixのまわりにいてくれている方々が、ほんとに宇宙Sixのことを考えてくれていて感謝しかないです。

 

ずっと気になっていた、スクアッド3/31のお昼公演。13時公演の前の12時に発表されて、客席シーンとしてるしぜんぜんコントもうけなくて…って、清水さんですらめちゃくちゃ詳しく覚えていて、それくらい重い空気感だったし、あの公演の前説とか、カーテンコールの挨拶とか、なんの罰ゲームだよって感じだったはずで。30-DELUXさんを巻き込むことになってしまったこと、本当に申し訳ないとおもっていた。

今回のことだって、30-DELUXさんのステージじゃなければ絶対に実現できなかっただろうなとおもう。宇宙Sixいがいの共演者さんたちはほんとにみんな優しい方ばっかりで、感動したとか、自分も嬉しかったとか、みなさんそうやって言ってくれていて、そんなわけないのに!とかおもったり。(笑)

でも、気をつかって言ってくれているんだとしても、宇宙Sixだからそう言ってもらえて、宇宙Sixだから許されたことだったんだとしたら嬉しいなとおもっています。

ごめんなさいって言ったら許してやる、とはいえないけど、1年前はできなかった、6人でごめんなさいっていって、6人でありがとうございますって言うこと、ができたなら、もうそれでいい。よくないけどもういい。

6人で笑いあってるところ、みせてもらえたからもういいよ。

 

 

愛、しかない、のべつまくなし東京公演だった。

愛に溢れたあの一座が、名古屋でも、大阪でも、北九州でも、もっともっとたくさんのひとに愛される一座になりますように。